銀の匙の漫画やアニメもいいけど文学作品の本もおすすめ!

銀の匙の漫画やアニメもいいけど文学作品の本もおすすめ!

銀の匙は灘高校で伝説の先生が授業をした逸話の文学作品

もともと読書が好きで、
灘高校を日本一の高校にした伝説の先生が、
当時の指導要領を無視して、
「銀の匙」一冊だけを教材にして教え子たちに授業をした、
という逸話を聞き、
自分もあの難関高校並みの知力を養えるのでは、
と思い読み始めました。

銀の匙の冒頭は物語の全容がまったくみえず、
当時のおもちゃの表す描写や、
主人公の幼少の出来事がだらだらと書きつづられている程度にしか思えず、
また昔の文学作品のためなじみの少ない表現も多かったため、
読みづらい印象を持ちました。

しかし、この主人公のあまりにも貧弱な性分を知り、
さらに彼を取り巻く人たちの、
やさしかったり、個性的だったりするその人間性がみえてくるうちに、
その面白さがわかってきました。



銀の匙の文庫本を古本屋さんで購入

もともと興味は持っていたのですが、
やはり手が出しづらかったり、
青空文庫でもまた別のなじみある本を選んで
読んでしまったりしていたのですが、
たまたま立ち寄った古本屋さんで、
50円で売られていた文庫本を発見し、購入しました。

文学作品は青空文庫でいつでも無料で読むことができるうえに、
図書館に行けば大概読むことができるので、
わざわざ買うことはしませんでした。

しかし、この一冊は限定カバーで、
タイトル通りの銀色のカバーだったため、
妙にオシャレに感じられてしまって、
ついつい購入してしまいました。
買ったからには、と読んだところ、
とても面白い小説でした。

銀の匙のあらすじ(※ネタバレ注意)

主人公は病弱な男の子で、
彼の看病や周りのお世話をしてくれるおばさんにべったりの、
甘えん坊のお坊ちゃんです。

そんな彼は遊びに出かけたときも、
欲しいものを口で言うことができず、
おばさんに「あれがいい?」「これがいい?」と
尋ねられて首を振って反応するしかできませんでした。

友達の輪に入るのもおばさんに手伝ってもらったり、
小学校に進学しても「学校に行きたくない」と駄々をこねたり、
しまいに「学校に行けないやつは家にはいらん」と父親に言われ、
「だったらおもちゃ箱を持って、おばさんと出て行く」
と言ったする始末です。

そんな彼が学校に行って、勉強ができず悔しい思いをして、
必死で勉強して、異性の友人ができて、
その友人と仲良くするクラスメイトが現れて、
また悔しい思いをして、さびしい思いをして、
またがんばって、彼は青年になるのです。

本作ではさまざまなおもちゃや、
あまりなじみのない事物がたくさん登場し、
好奇心が刺激されます。



銀の匙はいろんな視点で物事を考えられるようになる

好奇心が刺激されるような出来事や物がたくさん登場し、
この作品を読み終えたころには、
たくさんの事象に興味を持つ人間になれるような気がします。

実際にそういう効果を狙って、
伝説の教師はこの一冊を教材に授業を進めたといわれています。

私はこの主人公の、かわいげのない幼さに腹が立ったり、
無性に共感できたり、自分に投影してみたり、客観視してみたりと、
彼の存在をいろんな視点でみて物語を読み進めていたような気がします。

銀の匙は人間の成長と、変わらない大切な部分とをしっかり描いて、
私たち読者に届けているように思えます。

未だにこの作品が多くの人に愛され、読み続けられているのは、
そういった普遍的なものが濃く描かれているからだと思います。

漫画の銀の匙もいいですが、文学作品の方もおすすめです。