万年筆は大人で余裕を感じる憧れでした
万年筆が好きになったきっかけ
万年筆が好きになったきっかけは、子どもが生まれてから色々な手紙を書くようになり、自分の字をみて何か違うと感じたからです。
字が書ければ安いボールペンでいいと思っていましたが、年賀状や季節の手紙等はじっくり見てみると毛筆だったり万年筆で書かれている方が多く、万年筆の方はよく見ると黒ではないインクを毎回変えて使っていました。
みんながみんな達筆であるわけではありませんが、「字を丁寧に書く」「このご時世に手紙を書く」「手入れの手間のかかる万年筆を使う」「インクや紙にこだわる」「公的書類等には使えないのに所有する」そういったことが、大人で余裕のあることに思え、急激に憧れを持つようになりました。
30歳を超えて、子どもを持ち、残すものに品格を持ちたいと思ったのがきっかけです。
元上司が大切に使用していた万年筆の記憶
万年筆に出会ったのは、十数年前、社会人になった時に上司にあたる男性が使っていたものです。
メモを取ったノートをインクが乾くまで閉じれない、ペン先が詰まらないように毎日使い、水につけてケアしなければいけない、インクは吸い上げたりカートリッジだったり適合するものを準備しなければいけない、それを「デメリット」ととらえていました。
たしかにビジネスの場では手間がかかることもあります。
ある時上司から、万年筆は亡くなったお父様から就職祝いで贈られたものだと聞きました。
それを聞いてから、「一つのものを大事に使う」ということに憧れがあったのかもしれません。
女性をイメージモンブランの万年筆
万年筆は男性のイメージが強くありました。
上司の持っていたモンブランのマイスターシュテュックは黒くて太目で、ペン先がゴールドで、大人の男性の持つものだと思っていました。
それを覆したのは、数年前にみた杉本彩さんが雑誌で使っていたモンブランの万年筆です。
女性をイメージしたカーブボディに白のパールが装飾されたグレタガルボをオマージュした限定ものでした。
「女性向けの万年筆もあるんだ。モンブランの限定ものは高そうだな」
その時はそのくらいの感想しかなかったはずなのですが、数年経って急にその万年筆のことを思い出しました。
それから現行品ではない数量限定のものを必死に探し、同じ万年筆と出会うことができてからは、もう万年筆の虜となりました。
少しのことでも万年筆を使う、万年筆に適した紙を使う、色の濃淡を楽しむ、インクの色を楽しむ、自分にあったペン先を選ぶ、ペン先の成長を楽しむ、手間のかかることも子供の世話をするようで楽しむようになりました。
杉本彩さんの使う万年筆は大人の品格
私の中では杉本彩さんが大人の品格のある女性のイメージがあり、彼女の使っているものを使えば私も大人の女性になれるんじゃないかと、半ばミーハーな考えがあったのかもしれません。
結婚して仕事を辞め子育てに追われている中で、自分のことは後回しになっていました。
高価なものを買うのは子どものものばかりでした。
そんな中、独身時代の貯金を使ってまで買った万年筆は、自分を確立するための何か意味があるものだったんだと思っています。
最近は毎日子供が寝たあとに、万年筆を出してきて文字を書きます。
書くことは明日の買い物リストだったり、メモ程度のもの。
たったそれだけのことなのに何か心に余裕ができる、明日も頑張ろうと思えるのです。
万年筆は海外では一般的
男性の中には万年筆のキャップについているモンブランのマークを見て、ウンチクを語りだす人もいました。
女のくせに高いもの買って、と説教する人もいました。
もちろんモンブランは高いものですが、万年筆自体は1000円も出せば手に入ります。
安い物でも使いやすいものはたくさんあります。
海外では子供用の練習用のものまで一般的に使われています。
もし気に入るものを見つけたら皆さんも使ってみてはどうですか?