オヴィラプトロサウルスを見て鳥はかつて恐竜と思いをはせる
オヴィラプトロサウルスはまさに鳥類
2018年の3月に、大阪の市立自然史博物館で開催された特別展
「恐竜の卵~恐竜誕生に秘められた謎~」
で展示されていた恐竜の骨格標本(レプリカ)の中で、
このオヴィラプトロサウルスという恐竜が
異彩を放ってみえたことからハマってしまいました。
もともと鳥類に興味があった私は、
鳥の祖先が実は肉食性の恐竜であったという説が定説になりつつある、
ということを知って、この特別展に足を運んだのですが、
このオヴィラプトロサウルスはまさに鳥類といったフォルムをしており、
現生する鳥類よりも私の好みにぴったりでした。
以来、恐竜関連の本を手に取るようになったのですが、
やはりこのオヴィラプトサウルスのページには目が留まってしまいます。
オヴィラプトロサウルスを知ったのは恐竜図鑑
一目ぼれしたのは大阪市立自然史博物館でしたが、
一番最初にこのオヴィラプトロサウルスという恐竜を知ったのは
小学生だった頃に読んだ子ども向けの恐竜図鑑でした。
当時の復元図では羽毛が書かれておらず、
もっと中型のは虫類といった感じのイラストで紹介されていました。
それが十数年の時を超えて、新たに化石が発見され、
最新の研究によってより正しい復元図が作り直され、
まったく別の生き物のようになって展示されていたのです。
地味だった子が同窓会で見違えた姿になっているような
感覚に近いでしょうか。
不思議な感動がありました。
オヴィラプトロサウルスは恐竜種の分類群
オヴィラプトロサウルスとは、正式には特定の恐竜の種名ではなく、
その恐竜種の分類群です。
全般的にオウムのような短いくちばしに小さな帆のようなトサカ、
ダチョウのような体に未発達の翼が生えた恐竜たちです。
その多くは体長が2メートルほどですが、
ギガントラプトルという8メートルの大型種も存在していました。
翼には風切羽という、飛翔の際に重要な役割を果たす羽がなかったため、
飛翔はできなかったとされています。
そのため、翼は求愛行動や体温調節、卵を抱いて温めるため、
などとさまざまな説があります。
代表的な種であるオヴィラプトルはかつて卵泥棒と呼ばれており、
卵の化石近くでこの種の化石が発掘されていたため、
ほかの恐竜の卵を食べて生活していたと思われていました。
しかし、最新の研究で、
この卵が実はオヴィラプトルの卵で、見つかった個体の化石は、
卵を抱いていたときのものであると現在では推測されています。
こういったエピソードもまた、この恐竜の魅力のひとつです。
オヴィラプトロサウルスを見て鳥はかつて恐竜と思いをはせる
鳥類が好きで、子どもの頃からよく野鳥の観察をしてきましたが、
最近は鳥をみるたびにこの恐竜を思い出し、
鳥はかつて恐竜だった、と古代の自然に思いをはせるようになりました。
興味の幅がぐん、と広がり、鳥類進化の歴史のみならず、
人類進化の本を読んでみたり、
ほかの恐竜にも関心を抱くようになりました。
オヴィラプトロサウルスに限ったことではありませんが、
恐竜の研究が進み、
その成果が発表されて私のような人間の耳に入ることは、
自然科学に対する投資がより活発になると思いました。
現に私はこの一年で恐竜関係の本や化石のレプリカを購入し、
それを友人に自慢したりしています。
それがまた普及になる、というと大げさかもしれませんが、
少しずつ自然や生物への関心が高まっていければ、
それがまた研究の進歩につながっていくのではないか、
と期待します。
鳥はかつて恐竜であり、人類はかつてサルだった。
(諸説あります)
悠久の時を思うこともまた、大切なことだと、私は思います。